多発性筋炎(闘病編その一)

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検査も終わり、いよいよ本格的な闘病生活に入って行く。


10/10(Sat)


病室は中央を通路とし、入り口の両側に計二台、窓側両側に計二台の合計四台のベットが配置された間取りだ。

私のベットは、左奥の窓側だ。多分、長期入院が予想される患者は、優先的に窓側に配置していると思われる。

先客が一人、右奥の窓側に入院中だ。糖尿患者らしい。

道路側が全面ガラス張りの明るい健康的な部屋の作りに成っており、窓の外には小さい乍らにも公園が見えるのが救いだ。



今日から三日間は、土日、体育の日とあって休診日で先生方も少ない。当然ながら、診察も何もない平和な日が続くのだ。

私の主治医は、U先生(男)でサブで担当してくれるのがH先生(女)ですが、この病院には女医さんが多い様な気がする。

まっ ここは病院なんでね、花が有る方がむさ苦しいより良いでしょうけど…



検査でバタバタしていた時には感じなかったことが、暇な時間を持つと体の変化をヒシヒシと感じてくる。


ベットに上がる時、ベットから降りる時、思うように腕が使えなく成って来ているように感じる。


何より、足がベットに上がらなくて、手で持ち上げ足の動きを手助けしなければ成らない、しかも力の抜けた両手で…


入院当初より、体の動きが鈍くなっているのを嫌でも痛感する。


一つ一つの行動が、80過ぎのおじいさんの動きとダブって来る。全身が怠い、何より両手両足が怠い!


そして筋肉破壊は、現在もingだ。


--- 21時、消灯の時間がやって来た。早い消灯時間に、長い夜が一段と長く感じられる。 ---





10/11(Sun)


--- 6時、部屋の灯りが点く。 ---


「ぅーん! こんな健康的な生活、私のリズムに合わないなぁ。」


「さて、顔でも洗いに行こうか」


--- よいしょ、よいしょ、ベットから起きあがるのに反動を付ける。 ---


「ふぅーー! 起きるのにも一苦労する様に成ってきたなぁ」


--- そして歯ブラシを持つ手に力が入らない、と言うより指先に力が入らないと言った方が適当かな。 ---


この病気は、留まることを知らないかのように、確実に悪化の道を辿っている。


H先生が朝の回診に訪れる。


H先生:「お変わり有りませんかぁ?」


私  :「入院した時と比べると、無茶苦茶動きが悪くなって来てます。」


H先生:「ここ痛いですか?」


私  :「いや 痛くないです。」


H先生:「ここは? ここは?」


--- 最初は上腕部、そして大腿部、その内あちこち触り出す。 --- 


私  :「いや 全然。」


--- 私が返答を繰り返す度に、首を傾げる。 ---


そう言えば、検査という検査で先生方に同じ問いを投げかけられた。そして私もその問いに対して、同じ回答を返したのだ。

まるで今の会話をコピーしたかのように、何度もなんども…


そして最後のリアクションまでもが、全ての先生方が同じだったのも笑えた。

それって、私の症状は他の人と違うと言うことでしょうか?


結構、それ不安になる要素なんですけど…


H先生:「まぁ 治療が始まったら、直ぐに楽になるから」


--- この調子で行ったら、いつ治療が始まる事やら ---





10/12(Mon)


--- 6時、永い病院の夜が明け部屋に電気が灯る。 ---


起きる、今まで普通にやって来た動作だが、今は準備と気合いがいる。


左手に力が入らないため、横になってから体を起こす動作が出来ない。俗に言う「す巻き?」に成った状態だ。


たまたま、ベットが左側に起きあがる様な配置に成っていた為の仕方ない行事と成ってしまった。


--- 8時、朝食が運ばれてくる。 ---


入院中の最大の楽しみは、食事以外には無い。入院した経験のある方に聞くと、必ず帰ってくる合い言葉の様な物だ。


確かに入院一週間とも成ると、通説にその言葉の意味が染みてくる。


献立

パン2個:
食パン2枚または、食パン1枚+ロールパン1個、食パン1枚+黒糖パン1個、食パン1枚+菓子パン1個の中の組み合わせ。

サラダ:
生野菜または、酢の物、温野菜の内の一品が小鉢として。

フルーツ:
バナナまたは、キウイ、オレンジの内の一品にヨーグルトかチーズが時々付いてくる。

飲料:
200ml牛乳1本(紙パック入り)


量は問題ない、バリバリ仕事をしている人の朝食に匹敵する?どころか、その物ではないでしょうかね。



H先生が、朝の回診で回ってきた。


H先生:「お変わり有りませんかぁ?」


私  :「ベットから起きあがるのが辛くなってきました。」


H先生:「ぅーむ ここ痛いですか?」


私  :「いや 痛くないです。」


H先生:「ここは?」


私  :「いや 全然。マッサージして貰ってるみたいで、逆に気持ち良い。」


--- 昨日と、ほとんど同じ会話の様な気がする。て言うか同じやん! ---


H先生:「治療が始まったら、直ぐに楽になるんやけどなぁ」


--- これも… 同じ会話だ。もっと違う言葉が聞きたい。違う会話をしたい。 ---





10/13(Tue)


--- 入院後、一週間目の夜が明ける。 ---


ベットから起きるために足を曲げようとするが、足がベットに引き摺られ頭の感覚通りに動きが付いてこない。


腕や指の動きにしても同じ事が言える。この体から、俊敏という二文字が消え去って行くのを肌で感じる。



U先生が、朝の回診に見えた。


U先生:「どうですか?」


私  :「これまでで、一番最悪です。」


U先生:「やっぱり怠い感じですか?」


私  :「怠いもですけど、もう体が付いてこないって言う感じですわ!」


私  :「このままやったら、治療に入ったときには動けなく成ってるん違います?」


U先生:「早く検査結果を出して貰うように、関係先に連絡取ってみますね。」


私  :「お願いします。出来たら、まだ動ける内に治療したいですから。」


不安は投げかける。患者が不安に思っていることを、取り除くのも治療の一環ですからね。


言わなければ、結果が出るのを待つだけでしょうが、不安を除かせると積極的に動いてくれる。


少しでも不安があれば、先生にぶつけて見ることも重要な治療の一つだと思います。治療には、自分自身も参加して下さい。


--- 12時、昼食が運ばれてくる。 ---


献立

主食:
白米、カレーライスなどが、週に6:1程度の割合で。

副食:
魚貝類(鯖、鮭、白身、エビなど)、肉(豚、鳥)などが、週に5:2程度の割合で。

野菜の煮物などの小鉢。

サラダ:
生野菜または、酢の物の小鉢。


一番の問題、気になる味の方は?

これがなんと、関西人であれば申し分のない味付け。思ったより濃厚です。

何しろ同室の糖尿患者の方が、看護師さん呼んで「これ糖尿病食?」と確認する位の味付けですから。


食事に関しては、問題ない入院生活を送れそうです。


CK値2916(2009-10-06)→2698(2009-10-13)





10/14(Wed)


--- 病院の夜は、どうしてこんなに長いのだろう。朝が待ち遠しい。 ---


朝起き上がる時には、もう完全に反動を付けないと起き上がれ無くなってしまった。「この先どう成んのやろ?」最近、頭の中を過ぎる言葉だ。


朝の恒例、H先生が朝の回診に見える。


H先生:「お変わり有りませんかぁ?」


私  :「もうベットから起きあがるに、反動がないと起き上がれ無いんですよ。」


H先生:「やっぱり、力が入らないんですか?」


私  :「鉛の鎧を着て、ベットから起き上がるような状態ですわ。」


H先生:「もう検査結果出ると思うから、もう少し待ってね。」


ここからは、何時ものありきたりの会話で回診も終了。



一旦ベットから起き上がってしまうと、歩行は問題なくとまでは言えないが出来る状態だ。


動かないからと言って動かなく成ると、衰えてきている体がもっと動けなくなる。


少しでも体を動かすために、狭い病棟内を徘徊し屋上への階段を登る。

上げる足に力が入らない。足の上がる高さが、ちょうど階段一段分しかないのにも驚かされる。

力を込めて、一歩ずつ登っていく。

十段程度登ったところに踊り場が設けてあるが、踊り場に着いた時には「ハァはぁ、ゼェぜぇ!」と息が上がっている。

情けない。

物干し場が同居している狭い屋上、ここが唯一外の空気と触れる空間なのだ。

リハビリではないが、体を動かす事で少しでもストレス解消になれば、の思いに駆られて毎日の行事に成ってしまった。

気分爽快とまではいかないが、気分一新した所で部屋に戻ることに。エレベータは有るのだが、階段での道のりを選択し降りる。

一歩足を下ろす。途端に前方によろけてしまい、階段を転げ落ちそうに成るのを、握力の低下した右手で必死で支える。

「あっぶねぇ!」一気に心拍数が跳ね上がったのを感じた。

本人が思っている以上に、筋力が低下している。「参ったね!」

一月前までバリバリ動いていた体が、今はポンコツのスクラップ状態に成ってしまっている。

たった一月の出来事。たった一月で、ここまで人間の体って変わってしまう物なのか、恐怖に駆られる思いだ。


--- 部屋の電気が消える、また長い夜がやって来た。 ---


明日の朝は「まだ自力で起きあがれるのだろうか?」もし起きれなかったら「ナースコールするしかないかな?」などと思いながら恐る恐るベットに横たわる。

だが、ナースコールするにも問題が… 腕が思うように上がらないので、ナースコールのボタンが頭上に有ると取れないのだ。

手元にナースコールのボタンを準備し、いつでも押せる体制を作って置くことにした。

このところ、頻繁にこんな事を考えるようになっている。





10/15(Thu)


--- 窓の外が、白々と明るく成り始める。 ---


部屋の灯りが点くのが先か、起きるのが先かと言わんばかりに反動を付けて体制を整える。


「ぅんっしょっ!」良かった、今日もなんとか起きあがれた。


直ぐさま洗顔と、歯磨きに洗面所へ直行する。


その動作音に周りもまた、待ちに待ったかのように動き出す。


誰かが先陣切ると、周りもその行動に釣られるかのように動き出す習性がここにも存在した。(笑)


U先生が、朝の回診に見えた。


U先生:「おはようございます。どうですか?」


U先生の顔に笑顔が見えた。


私  :「はい、最悪です。」


U先生:「そうですか!」


U先生:「多発性筋炎の陽性が確定しましたよ!」


朝一番に、待ちに待った吉報が舞い込んできた。


私  :「やっぱり多発ですか? 皮膚筋炎じゃ無かったんですね。」


U先生:「ぇえ!多発性筋炎でしたよ!」


U先生:「早速明日から、投薬治療を始めましょう。」


入院以来、一番聞きたかった言葉だ。この一言を聞くためだけに、辛い検査にも耐えてきたのだから。


そしてこの日が、感無量という言葉の意味を通説に感じる一日と成ったことは、今後も忘れることは無いだろう。


私にとっては、それ程までに待ち望んだ”重い一言”だったのだ。



--- 18時、夕食が運ばれてくる。 ---


献立

主食:
白米、炊き込みご飯、カレーライスなどが、週に4:2:1程度の割合で。

副食:
魚貝類(鯖、鮭、白身、エビなど)、肉(豚、鳥)などが、週に5:2程度の割合で。

野菜の煮物などの小鉢。

サラダ:
生野菜または、酢の物の小鉢。


主食以外は、昼食と差ほど変わりはない。

一日のカロリー摂取量は、私の体重(61kg)から算出して2,000kcal程度のカロリーが必要となり、朝昼晩と3:4:3の配分で出されている様です。


--- 消灯の時間がやって来た。 ---


今晩も又、「朝、まだ自力で起きあがれるのだろうか?」まるで呪文か念仏かのごとく呟く。


ただ何時もとの違いは「投薬が開始されたら、少しは楽になっていくだろう。」と言う期待が、不安を少しずつ掻き消してくれている事だった。





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コメント(2)

うわー・・・・

めっちゃ怖い><

がんばって下さい・・・

意識も記憶もはっきりしている中で、体の自由が奪われていく恐怖は何とも言えないですね。
難病を患って気付いた事、それは死と対面して闘病生活をおくっている患者さんの、精神力の強さですね。
私も入院前に、有る程度気持ちの整理をつけました。
私のような症状は、気付くのが遅いので病気が進行してしまい、無くなっている患者さんも居るようです。
そんな方の為に、この記事が少しでも参考に成ってくれればと思います。

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